繚乱狂宴
『絶対』、と言い張れるのなら、『絶対ではない』証拠だ。

不変の真理だって、いつか変わるかもしれない。

『不変』で無くなることだって、ある。

「……楽しいですか?」

唐突に、俯いたままの幽が口を開く。

「楽しいですか? そんな人生……」

「……何?」

「ボクは、人生は『悲しいコト』もあるから、『楽しいコト』もあるんだと思います。晶さんが言ってることは、『悲しいコト』から逃げているから、『楽しいコト』が見つからないんだと思います」

「……」

立場が逆転した。

「ボクは、それでもいいです。百の内、九十九が悲しいコトでも、あとの一が楽しければいいんです。悲しいのが先でも、楽しいのが先でも」

幽の言葉は的を射ていた。

心と身体に突き刺さるような感覚。

視界が、揺れた。
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