繚乱狂宴
幽が言っていることは正しい。

間違っているのは、それを受け入れられない僕自身。

幽は、強い。

僕とは比べられない程。

幽の言葉は心に刺さったまま、頭の中で反響されていた。

逃げていた人。

立ち向かう人。

情けなくて、泣きそうだった。

前者の僕が、今の状況を受け入れられるだろうか。

自分の主張がいきなり差し替えられて、その現を受け入れられるだろうか。

酷く、気持ちが重くなる。

――――寝よう。

自分の気持ちの整理がつかない。

寝て、一度気持ちを抑えよう。

第一、焦っていたら正常な思考ができるかどうかも危うい。

今は、寝よう。

身体に命令し、思考を止め、目を閉じる。

できるだけ意識せず、誘われるがままに夢の世界へと連れて行かれた。
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