繚乱狂宴
Act.2 透明
「っ!」

ベッドから飛び起き、瞬時に自分の状態を確認する。

心臓の鼓動は激しくなり、息も荒い。

今のは、悪夢か、現実か。

区別がハッキリと付かない。

朦朧とする意識を意地で保ち、ベッドから立ち上がる。

「グッ……」

目眩、頭痛、嫌悪感。

何者かに、身体が乗っ取られているようで。

暫く、動けなかった。

床に蹲り、精一杯自分であることを意識する。

やがて、症状は治まった。

……なんだと言うのだ。

これが、自分が入院することになった症状なのか。

曖昧な夢の記憶。

戻ることはないだろう。

ひとまず、身体が果てしなく悪い状況なのは理解できた。

しばらくの間、横になっていた方がいいだろう――。
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