繚乱狂宴
Act.1 鳥籠
転院初日、
その時の第一印象は、とりあえず田舎だった。
辺り一面田んぼや畑、見なれたビルやマンションは影も形もなく、平凡な民家がちらほら建っている。年月の隔ては侮れない。
視界の約八割が緑一色で染まっていた。
確かに、静養には最適な場所なのかもしれない。
しかし退屈だ。
火野 晶は体勢を変え、窓の外へと目をやる。
環境の変化による身体の異常は今のところ見られない。
でもやる事もなく、ただただ呆けて過ごしているのは時間の無駄だ。
都会の生活では、毎日時間に追われるように忙しかったからかもしれない。
はぁ、とため息をつき、ベッドから身を起こす。
窓からの景色はこれといっていいほど特徴的なモノは無く、
個室なので周囲に人もいない。
つくづく嫌になる。
何の病気だかは記憶にないが、早く治療してここを退院しよう。
何事も、病気には安静が一番だ。
ベッドに潜り込み、夢の世界へ旅立とうとした時―――、
部屋の扉が開く音がした。
その時の第一印象は、とりあえず田舎だった。
辺り一面田んぼや畑、見なれたビルやマンションは影も形もなく、平凡な民家がちらほら建っている。年月の隔ては侮れない。
視界の約八割が緑一色で染まっていた。
確かに、静養には最適な場所なのかもしれない。
しかし退屈だ。
火野 晶は体勢を変え、窓の外へと目をやる。
環境の変化による身体の異常は今のところ見られない。
でもやる事もなく、ただただ呆けて過ごしているのは時間の無駄だ。
都会の生活では、毎日時間に追われるように忙しかったからかもしれない。
はぁ、とため息をつき、ベッドから身を起こす。
窓からの景色はこれといっていいほど特徴的なモノは無く、
個室なので周囲に人もいない。
つくづく嫌になる。
何の病気だかは記憶にないが、早く治療してここを退院しよう。
何事も、病気には安静が一番だ。
ベッドに潜り込み、夢の世界へ旅立とうとした時―――、
部屋の扉が開く音がした。