繚乱狂宴
「何故貴方と関わらないといけないの?」

一層視線が鋭くなる。

小夜は、幽と出会う前の僕と同じような考えを持っていた。

別れるのがイヤだ。

別れて、悲しくなるのがイヤだから。

他人と関わりを持たない。

「私は、独り。他はいらないの」

同じ、考え。

いや、違う。

言葉上では、同じだが、どこか、違っていた。

圧倒的な、孤独。

己の存在を知るのは己のみ。

そんな、気持ちが、伝わる。

「何で貴方達は、そう私を引きずり込もうとするの?」

「だから、お互い仲良く……」

幽の発言が終わる直前。

小夜の双眸が剥き出しになり、鋭い視線がこちらを貫いた。

「そんなことして、何になるの!? 互いに惨めな姿を晒し合って、傷を舐め合うようなことはしたくはないわ!」

大声で吐き捨て、小夜は呟く。

「出て行って」

幽は気圧され、その場に凍っていた。

幽の背中を押し、

「戻るぞ」

そう呟いた。

幽は僕と小夜を交互に見るが、背中を押して、出るのを急かす。

部屋を出るまで、小夜はこちらを睨み続けていた。
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