繚乱狂宴
眼の裏には飛び散った血の色がクッキリと焼かれ、

手には骨を砕く感触がいつまでも残留していた。

僕は狂ってしまったのだろうか?

いや、僕は分かっている。

分かっているが、ぐだぐだ言い訳を自分の中でして、後回しにしているだけ。

真実を受け入れないだけ。

今日の出来事でハッキリした。

僕は、これと似たようなことを、何回も行った。

いつだったか、今日みたいな、月が綺麗で、星が無い夜―――。

僕は、ヒトを痛めつけ、殺しかけた。
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