繚乱狂宴
暗い路地裏。

月明かりが辺りを青白く照らし、不気味なほど静まり返っていた。

「なぁ、ボク。金、少し貸してくんねーかな?」

タチの悪そうな奴等に絡まれた。

世間一般にカツアゲ、というものだろう。

「別に素直にお金貸してくれれば、痛い思いはしねーよ?」

既に建物を背にしている。逃げ道はない。

「……断る」

強気だった。

連中は笑みを浮かべ、

「そーかいそーかい。なら……力づくで行くぜっ!」

うねりを上げ、一人の拳が飛んでくる。

必死に避け、間を掻い潜り、逃走に成功した。

――――殺される。
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