繚乱狂宴
頭の中で、アリエナイ言葉が過る。

何故、こんな言葉が。

殺されることなんて、ない。

――――殺される。

やめろ、話しかけるな。

自分で自分を責める。

後ろからは連中が、怒声を上げながら追いかけてくる。

追いかけて――、くる?

気づいた。

路地裏、だった。

大通り以外に通じる道は、まずない。

そして追いかけてくる、と言うことは――――。

大通りと反対方向。即ち行き止まりの可能性もある。

――――殺される。

また、頭の中で言葉が反響する。

絶望状態での反響は、酷く、気持ち悪く、体が、壊れそうで、何も、分からなくて。

思考が、占領されて。
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