繚乱狂宴
「センパイ」

幽が先に話しを切り出してきた。

「ん?何だ?」

味噌汁を啜りながら答える。

「センパイは、聞かないんですね。ボクのこと」

「お前のこと、か?」

幽はお椀を台の上に置く。

「はい……ボク、いつも点滴を打ってますし、ご飯もこんなのですから。気になったり……しないんですか?」

お椀を置いて、答える。

「別にお前のことをどうこう言う権利は僕にはない」

幽を見る。

「センパイ……センパイ、って優しいですね」

微笑みを返された。

「僕が、優しい?」

今まで、言われたこともない言葉を繰り返す。

「はい、とっても優しいです♪」

純粋な笑顔で語る幽。

なんだか恥ずかしくなってきた。
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