繚乱狂宴
生理的嫌悪感を催す鈍い音と、耳を劈く鳥肌が立つような鋭い音が同時に鼓膜を襲った。

音源の場所は直ぐに理解した。

今現在、丁度隣にある扉の奥。

小夜の部屋だ。

身体が勝手に動く。

ほとんど体当たりの要領で部屋に駆け込んだ。

部屋の光景。

床に蹲る幽。散乱した硝子の欠片。それらを見下すように寝台に座する小夜。

「幽――――!」
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