繚乱狂宴
「……」

幽の話を黙って聞いていると、ただ小夜が、一方的に悪いように聞こえる。

だが、小夜の眼が、頭から離れない。

あの、全てを拒絶するというか、

支配されたというか。

何故か『小夜ではない』という気持ちが体中を駆け巡る。

「センパイ?」

幽の声で思考が中断される。

……整理を付けるには、やはり問い質すしかないようだ。

「あ、あの、センパイ……」

「どうした?」

幽が困ったように言う。

「小夜さんのこと……あまり、責めないでください。ボクが、あんなこと聞いたから……」

オドオドしている幽の頭を撫でる。

幽が不思議そうな顔を上げた。

「そんなに、自分を責めるな。お前は間違っていない」

「でも……」

「お前はもう気にするな。後は、僕に任せておけ」

「……ハイ」

幽は安心したのか不安なのか分からない顔で、自室へと戻っていった。

一応、自室へと戻る。
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