繚乱狂宴
窓は既に夕焼けの日差しを吸い込んでいた。

朱色の色は好きだが、

何故、こうも、血を。

頭を振る。

可笑しくて笑いが込み上げてくる。

赤色、と聞いて、連想されるのが血。

とんだお笑いぐさだ。

猟奇的な考えは、好きではない。はず。

あの幽から出る血が。

今日は、血を見てしまったから。

こんなに、気分が重いのだ。

そう、結論づけて、身体を落ち着かせる。

気づけば大分息が荒い。

肩呼吸を押さえつけ、身体を沈める。

――――小夜の部屋へ。

全てが分かれば、この悩みも解決するかもしれない。

少なからず、そんな気がしていた。
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