繚乱狂宴
「お前が死ぬというのなら、今、僕がここで殺してやる」

「……」

小夜の頬を、大粒の汗が伝っていく。

何故、ナイフ回しなんか出来たのか。

そんなこと、考えるより、

今、目の前の、現状に、怒り狂っていた。

「……貴方に殺されるのなんか、御免被るわ」

小夜はナイフを引ったくり、そのまま自分の病室へと小走りで駆けていく。

「おい待て――――!」

こちらも負けじと追い掛ける。

部屋の中に入ると、小夜が、首筋に、ナイフを。

今、まさに、自分を殺そうと――――。
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