就活ラブ -gleam-
「あ、じゃあさ!俺がOB訪問するときに一緒に行こうよ。紹介してあげる!」


これぞ名案だと俺は自画自賛する。

OBなら既に何ヶ月も前から何人かと連絡を取っているし、それなりに親しくしてくれている人もいるから紹介ぐらい容易い。


「え?…いいの?」

「もちろん!ケータイ教えて」


俺はオーナー情報の赤外線送信をスタンバイして、長田さんを促した。

「うん…」

長田さんがケータイを開いたのを見て「じゃあ俺が先に送るね」と言うと、慌てて受信の操作をする。

無事に送信が終わって今度は俺が受信に設定した。


「はい、いいよ」

長田さんはまた慌てて、ちょっと何度かミスをしながらやっと送信してくれた。


アドレス帳のあ行を開いて下にスクロールすれば、「長田桃依」という名前がたしかに入っていて満足した。



「よし。じゃあまた連絡するね!」

「う…ん。ありがとう…」


長田さんはちょっと戸惑ってるみたいだったけど、別に不快そうな様子はないので気にしないことにした。



「長田さんって地元どこなの?」

「静岡だよ」

その答えに俺は興奮する。


「え、まじ?俺も静岡!H市だけど、長田さんは?」


俺は地元が好きだった。

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