ナルシストの隣

呆然としていると会見は終わっていて、修平から連絡があり後で家に行くからと言われた。

二十時少し前に再び電話が鳴ったので出ると、もう家の前まで来ていると言われ慌てて玄関の扉を開けた。

私服にサンダル姿の私を見て何を言うかと思えば

｢そんな姿で迎えられるなんて何だか新婚さんみたい！ねぇ、ついでにおかえりって言ってよ！｣

と、自分がさっき何を言ったのか分かっていないのか、とても能天気なものだった。

イヤだと断ると、粘られたので渋々口にした。

｢…おかえり｣

私が言う事を察したのか絶妙のタイミングで抱きしめてきた。



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