ナルシストの隣
社長室のドアに手をかけた瞬間部屋の中からすごい音がした。


ガシャーン!!


ノックもせずに入るのは失礼な事だけど、いそいでドアを開けた私の目に飛び込んできたのは、倒れた椅子、乱れたテーブル、割れたコーヒーカップ。

その横には、修平が床に倒れていて、社長は肩で息をしながら拳を握りしめている光景。

社長が修平を殴ったのは明らかだった。

開けられたドアの向こうに、私が立っている事に気付いた社長は、歩み寄ってきてふわっと包み込むように抱きしめごめんと一言だけ呟いた。



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