ナルシストの隣
「すみませんと声をかけていたんですが、気付いてもらえなかったので…」

言われてみれば、そんな声がしていた気がしなくもない。

それにしても、何かしただろうか?

ゴミもちゃんと持ち帰っているし、隠し撮りなんてしていない。

「私の方こそ、すみません。それで何か?」

「あの、今日のトークショーで占いの先生が出て話している時に、Darkではなく先生をずっと見ていたのはどうしてでしょう?」

聞かれてる事は分かるけど何でそんな事を聞くのか意味が分からず、思わず言ってしまった。

「…はっ?」

「ですから…」

また同じ事を言おうとしたので、割って入った。だって聞きたいのは、それじゃないから。



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