2/3友達
誰かのうちで食べるカレーライス。

いつ以来だろう。

カレーライスと言えば、我が家のが絶品だと豪語していたんだけど・・・。

はふっ。

熱々のカレーを口の中に入れる。

ん?

何々ー?

とても市販のルゥだけとは思えないほどの、味わい深い濃厚なスパイスの香りが口中に広がった。

「おいし。」

思わず口からこぼれた。

横で思い切りがっついていたカツヤが私の方に目線を向ける。

「そうっすか?」

ちょっぴり嬉しそうな顔でまたカレーに目を落とした。

「これってさ、普通に市販のルゥ?」

「ん。どうなんだろ。俺んちはいつもこれだったから。作ってる姿なんてほとんど見たことないや。」

そういえば。

カツヤのご両親ってしょっちゅう家空けてるよな。

「今日もご両親ともお留守って言ってたけど。いつもお忙しいみたいだね。」

カツヤはカレーライスを頬張りながら、苦笑した。

「昔から両親共働き。おやじはバリバリの営業マンで海外に飛び回ってるし、母さんは母さんで公務員なんだけど、結構えらくなっちゃって。おやじ顔負けに泊まりで出張入りまくり。俺のことなんかほったらかしですよ。だからこんなになっちゃったかな?」

カツヤは明るく笑った。

忙しいご両親なんだろうけど、カツヤがとても愛されてるのが、このカレーの味から伝わってくる。

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