2/3友達
カツヤは私から体を離すと、ソファーの下にストンと力無く座り込んだ。

「俺って、本当さいてー。」

そう言いながら髪の毛をくしゃくしゃっと掻いた。

「未練ありまくりなのがバレバレだよね。」

カツヤは自嘲気味に笑った。

「ううん。それは私だよ。私がこんな中途半端だから、カツヤだってどうしていいかわかんなくなっちゃったんでしょ。」

「相変わらず優しいね。ナツミさんって。」

カツヤはうつむいた。

「そおよ。私はいつだって優しいんだから。」

私はソファーに座り直した。

カツヤはそんなおどけた私を見て笑った。

私も笑った。

「ありがと、ナツミさん。」

「ありがとう。カツヤ。」


窓の向こうはもう雨の音はしていなかった。

雷もいつの間にかいなくなって。

でも、外はもう真っ暗。

何時なんだろ?

急に不安になってくる。

それこそ、マドカの二の舞じゃない?!

「今何時?」

慌ててカツヤに尋ねる。

カツヤも慌てて、リビングの時計に目をやった。

「あ・・・、もう21時だ。早く帰らなきゃまずいよね。」

「うん、絶対まずい。しかもこんなところにいるなんて、余計まずい。」

思わず本音が出る。

カツヤはそんな私に苦笑しながらもうなずいた。
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