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5章 友達
いつになく、いらだってるタイスケの口調。

さっきの私との口論のせいかな。

二人にわからないように、小さなため息をついた。

私は問題集に目を落としながら、何も言えずだまりこむ。

なんともいえない沈黙がしばらく三人の間に流れた。

うわぁ。

嫌な雰囲気。

誰か何か言ってよ。

しょうがないなぁ。

「タイスケ、どうして戻ってきたのよ。」

タイスケの方を見ずに言った。

「え?」

急に私が口を開いたもんだから、焦るタイスケ。

さっきまでの気迫はどこへ行ったのよ。

「忘れ物とりにきた。」

タイスケはボソッと言った。

「何?消しゴムか何か?」

さっきまでタイスケが使っていたテーブルの上を見回す。

何もないみたいだけど。

ゆっくりと、わざと「うざいなー」って顔をつくってタイスケの方を見た。


・・・は?


タイスケは私を指さしている。

ばか。

何やってんの。

人に指さすのって失礼なのよ。

「な、何よ。」

今度は私がひるむ。

「お前だよ。」

「は?私が忘れ物?何言ってんだか。」


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