2/3友達
「やっぱ、お前一人に任したのがまずかったな。もっとうまく言えるかと思ったけど、カツヤには叶わなかったってわけだ。」

「何よ、それ。」

「とりあえず、今週末は二人で図書館来いよ。様子見ながら、俺から話してやるからさ。」

何話す気?

「カツヤのこといじめないであげてよね。」

思わず口から出た言葉。

自分でもびっくりした。

なんだか彼女みたい。

って、一応彼女なんだけどさ。

「気に入らねぇ言い方。」

タイスケは吐き捨てるように言って、そのまま携帯を切った。



何よ。

そんな言い方しなくてもいいじゃない。

だって。

タイスケがカツヤに何言うか心配だったんだもん。

カツヤだって、真剣に私のこと考えて下した決断だったんだから。

別に頭が切れるとか、そんなんじゃないもん。



あれ?

私は今どっちの味方?

そして、自分はどうしたいの?


さっきのタイスケの厳しい口調を思い出したら、急に悲しくなってきた。

手に持った携帯が涙でかすんでいった。

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