長くて短かった月日
これから脊髄麻酔の注射を打つらしいのは判っていたし脊髄注射は自分の中ではたいした事では無いことは判っている。なぜならもっと痛い注射の経験が有るからだしかしそれを看護士さんが知る訳も無く俺に、
「今から、脊髄に麻酔の注射をします。かなり痛いと思いますが 、逃げないで逆に突き出す位にしてください。」と、言うから俺は
「エッそんなに痛いんですか、痛いの嫌いなんだよ」と言いながらもっと抱き付いた。柔らかくて良い心持ちだなずっとこうして居たいななんて考えている時背中の方から男の声で「少し痛いですよ」と、言うが早いか注射の針刺して来た。
「アッ痛くないと言うか、馴れてたんだ。平気だよ、ドンドン打っちゃて」「どうして痛くないの普通みんな大騒ぎだけど」「俺前に腰痛で入院したんだその時の経験が有るからこの位我慢できますよ。」と、話しているうちに、仰向け状態に戻され次の瞬間T字帯の紐に看護士の指が延びていた。
俺が、「エッ、マジで」の「エッ」と、言う前にもう紐は解かれていた。この頃は妻との交渉も無くなり一物は、性器から泌尿器に変わってしまったとは言え、あまり人に見せられる物でも無いのに一度にこんなに大勢の前にさらし物になるなんて思っても居なかった、次に何をされるのかは判っていたが痛いのかななんて考えていると、下腹を誰かが押す感覚に、目を下に移すともう管が入っていたが、麻酔が効いているからだろう痛みは感じなくなっていた。
もう誰に、見られても良いやと思うようになっていたのだが何かが変だと言う思いが過ぎった。
俺はまだストレッチャーの上に乗ったままだったのです。その答えが出た看護士さんが来て、俺を手術台に移そうとするしかも俯せにだ。頭の中で「何だよ、俺のA面だけじゃあ足りないのかB面もさらし物にするのか」と、思っている自分の意思と関係なしに台の上に転がされた これで結局、人間のA面もB面も見られてしまった事になる。
しかも、その上に大股開きにされてしまい情けなさの局地であった。
その後、静かに手術が始まっていったのある。

俺の肩からお尻にかけて電気毛布が掛けられて温められているが、決して快適では無かった。
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