長くて短かった月日
を、唸り声と共に押した。暫くすると懐中電灯の光を振り回しながらやって来て、
「山田さん、どうしました」
「済みません、散々我慢したんだけど、もう駄目です。まず氷枕の交換と鎮痛剤がほしいのと、後はバルーンを抜いてほしいのですが」
「今、お熱はどの位有るの計ってみましたか。そうかなり高いわね。後で鎮痛剤の注射持って来るから、それから今から先生に確認してみるね」と、言って出て行った。5分位待たされた後消毒薬や薬の乗ったカートを引いてやって来た。
「先生に確認をしたら良いですよとの事なので抜きますね」と、言うと蒲団をめくりT字帯を外しその下のオムツを外され局部をまた剥き出しにされてしまった。
「それでは、抜きますよ少し痛いかも知れないから我慢してそれでは行くよ 」と、言うが早いか一気抜いた。
「イッテェー」と、言う
と、「もう抜けたよ。大丈夫でしょう」
「未だ痛いんですけど、あっ、やられたオペの時バルーンを入れるのに何だか引っ掛かったんだその時少し傷ついたのかも」「その位は我慢しなさい、これで楽になったでしょうそれから未だ車椅子は、禁止よおしっこはこの尿器に入れて」とベットサイドに取り付けられ暫くの間安静にしてなさいと言う事らしいが、動く気力も無い。
その後鎮痛剤の注射を打たれ痛みも忘れ翌日まで眠ることが出来た。
目が覚めると電気が着いていて明るいし何だか誰かが俺の名前を読んでいる。
何だろうと聞いていると、城君が看護士に、
「山田さんって、未だ食事出来ないんですか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」「山田さんの朝食来てないんですが」「・・・・・・・・・」カーテンを開けて顔を出したのは城くんだったそして俺に
「山田さんの朝食来てなくて今文句言って調べさせてますから」と、楽しそうに言う
「そうだったんだ、有り難うでも仮に有っても余り食欲ないけどね」
「駄目ですよ。食べないと・・・・・」そう言われても食べたくはないのだから仕方ない。とベットの中で又眠り込んだ。
誰かが何度か起こされたが眠気が、勝り起き上がる事が出来ない昼の二時過ぎに目が覚めた。結局朝食、昼食を食べなかった。が、別に腹は空かないその状態で、ぼーっとしていると主治医が足の消毒に回診で来た。消毒の後汗で濡れた物を着替えたいので部屋持ちの看護師の、吉田さんを呼び蒸しタオルと、
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