終わらない物語
「唯華と私はここに着くまでの間、シャドウには遭わなかった…つまりは私たち六人が、この中の誰かと一緒じゃないと、シャドウは現れない。」



「まぁ…確かに学校では出なかったな。」



首をひねりながら言う瑞樹を尻目に、結月は仮説を続けた。



「理杏と立原はゲーセンでも襲われてるから、シャドウは屋内でも活動できる。ただ…唯華と私はこの店の前で会ってすぐ中に入ったけど、あなたたちが来るまでの15分間、シャドウは現れなかった…。」



「う~ん、そう言われればそうかもしれないけどさぁ…なんかこじつけっぽくない?」


「だから『仮説』なのよ…。」




いまいち納得がいかない様子の理杏に、溜め息をつきながら結月が答えた。
< 143 / 153 >

この作品をシェア

pagetop