終わらない物語
「今日どこ行く~?」

学校を出て、愁は軽いノリのクラスメートと共に、ブラブラと街を歩いていた。

「あ、あれ白蘭の制服じゃね?」

「うぇっ!マジかよ」



愁たちの視線の先には、上品そうな店の前に一人佇む少女がいた。


少女の制服は、間違いなく白蘭学園のものだった。


白蘭学園は、私立の女子高である。愁たちの通う私立の男子高――光ヶ原高校とは、かつては兄妹校と呼ばれるような仲だったが、いつからか、そして何が原因なのか、今ではとても仲が悪い。


二つの高校が不仲なのは、他校生でも知っているほど有名なことである。ましてや、当事者である両校の生徒が知らないはずがない。

ところが、目の前にいる白蘭の制服を着た少女は、愁たちににっこりと微笑みながら、ペコッとお辞儀をした。

「…なんだぁ?アイツ」

「さあ…アタマおかしいんじゃね?」

目の前の出来事にぽかんとしながら、愁の悪友たちはヒソヒソと話し始めた。

少女はというと、その様子に少し戸惑っているようだ。


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