こんなに好きなのに━番外編━



「あっき…、あき、ら…」


「なに?」


「いたいよ…うで…」


「あっ、ごめ…」


晃が掴んでたところは赤くなっていた。


「嘉香…さっきのだけど…」


「ありがとう。私の為に嘘ついてくれて…晃。ありがとう…わたしっ…」


「我慢するなよ…」


「っ…………」


「見ないから…」


校庭の裏で晃の背中に抱きついて私は泣いた…。


「…ぐすっ…」


急に振り向いた晃…私の顔を見るなり


「ぶすが余計ぶすになってんぞ!」


「うるさいっ!」


本当、酷いなぁ。晃は…


「嘉香…」


「?」


なに?急に真剣な顔して…


「本当に俺と付き合わねぇ?」


「へ?」


「俺、前から好きだった…嘉香のことが…だから泉兄なんか忘れて、俺と付き合えよ。」


晃は真剣な目で…冗談で返そうと思ったけど、出来なかった…


晃が私をすき?


嘘…


晃が…


「っ…あっ、えっと…そのっ」


言葉が上手く出ない…


「今すぐ返事はいらないから…今まで通りでいて。」


「うん。」


「でも、これだけは覚えとけ…俺は嘉香が好きだ…絶対泣かせねぇし、泉兄が出来なかったこと全部してやるから。」


「うん…」


「帰るか…」


「えっ?でも会議…」


「いいじゃん。サボったら…それにお前、会議って感じじゃねえだろ?」


「うん。」


晃とくだらない話をしながら家まで帰った…


晃が私を好きなんて信じられない…
それに私は泉を忘れることなんて出来るの…?



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