こんなに好きなのに━番外編━



「…はぁ、」


緊張する…泉になんて話しかけよう。
自然に…いや。素直に謝ろう。私が悪いんだから…それで可愛く言うんだ…泉が好きですって…


「よし!」


…………手に汗をかくのがわかる。


「失礼します…」


いない?いつも座ってるはずの椅子に泉の姿がない…


「市橋先生…?」


泉どこ?


「…市橋先生に何か用?」


後ろから聞こえた綺麗な声…


「あっ…」


池野先生…


「どうかしたの?樋ノ内さん。」


「市橋先生は?」


「何かあったの?」


「あの…私、市橋先生に…大切な用が…」


池野先生…やっぱり綺麗。
こんな人が同じ大学で…同じ職場にいたら誰でも好きになっちゃうよ…


それに大人だし…ずるいよ。



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