こんなに好きなのに━番外編━
「彼女が彼氏の心配したらダメなんですか?好きな人が…苦しんでるのに、近くにいたらいけないんですか?」
「樋ノ内さん…」
「お願いします。泉に会わせて下さい…」
震えそうになる声を必死に出す。
「…それが本当なら問題よ。」
えっ?
「本当に付き合ってるの?」
「はい。真剣です、」
「はぁ…だったらあなたか市橋先生が学校を辞めてもらわないと…」
「えっ?」
「生徒と教師が付き合うなんて…いけないに決まってるでしょ?」
「…………生徒と教師なんて関係ありません…私は泉が、市橋泉が好きなんです。」
「職員室に行くわよ、校長に知らせないと…」
そう言って私の腕を掴んだ池野先生…
「まって、先生っ。泉の…泉のとこにっ…っ。」
私、バカだ。謝りに行くつもりが…ばらして…。泉に迷惑かけただけじゃん。
これだったら…別れてた方が良かったのかもしれない…泉…ごめんね。