【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


…──覚えてる。




あの、柔らかい笑顔も

あの、優しく響く声も。


…そして


あの、聞き覚えのある名前も

あの、喪われかけた記憶も。




微かに、覚えてる。


…ううん、違う。


今、やっと思い出したの。




「………はやと…」




あたしを置いて行っちゃったくせに…

どうして今さら、あたしの目の前に現れたりなんかしたの…?




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