【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「…隼人のばか…もう遅いよ…遅すぎだよ…
何で嘘ついてまで執事になんかなってるのよ…どうして早く言ってくれなかったのよ…」
日は沈み、世界は闇に包まれ…闇に支配される。
明かりが灯る学園内。
ひとり外を歩くあたしには…この闇はあまりにも暗すぎた。
ポツリ、ポツリと口から飛び出す独り言の数々。
白い息と化したその声は、誰に向けられることもなく
星も見えない漆黒の天へ、音もなく消えていく。
「…ねぇ隼人。あの夢に出てくる“ハヤト”はあなたのことだったの…?」