【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
───…
「…な!…奈々っ!!!」
誰かがあたしの名前を呼んでいる。
その声は………
視界に入ってきたのは、真っ白い天井と
心配そうにあたしを覗き込む、たったひとりの“元”幼なじみ。
憂いを帯びたその表情に、不覚にも胸が跳び跳ねる。
前にも一度、同じようなことがあったっけ。
あの時は………
南が側にいてくれた。
今、あたしの側にいるのは………真宮 隼人
…もとい、宮澤 隼人という男。