【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


…でも。




「…どうして隼人がここにいるの…?」


名前まで偽って、何の意味があるっていうの?


「俺がここにいちゃ、おかしい?」




眉を垂らしながら鼻で笑う彼。




「だってあなたは──」


…あなたは、宮澤財閥の跡取り息子でしょう?




言葉を詰まらせるあたしの手に触れたのは

昔より大きくなった、温かな彼の掌。




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