【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「…最低っ!」
「何と言われようが構わない。俺は力ずくでも奈々を奪ってみせる。
…たとえ奈々がそれを拒んだとしても…絶対に、一緒にニューヨークへ連れて行く」
そんな………
それがあなたの目的なの…?
「そんなこと…できるわけないじゃないっ!」
「できるよ。俺ならね」
自信たっぷりの声色が、あたしの心を軽くさらって行く。
今さら、許せるわけないのに。
今さら、許したくないはずなのに。
奪われたばかりの唇を噛みしめ、あたしは言う。