【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


晴れ渡る空の下、ピューッと吹き付ける冷たい風が頬を撫でる。




学園の中心部にそびえ立つ、大きな噴水を眺めながら

あたしは一つ、ため息を落とした。




『俺はアメリカに帰るけど、落ち着いたらまた迎えに行くから。その時は向こうで一緒に暮らそう』




…本当に、いいの?


あたしの選択は、本当に正しかったの?




昨日、隼人の残した言葉にあたしは黙って頷いた。


その日のうちにニューヨークへ戻った彼と結んだ、約束。




…いいえ、これは契約。




< 145 / 208 >

この作品をシェア

pagetop