【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
晴れ渡る空の下、ピューッと吹き付ける冷たい風が頬を撫でる。
学園の中心部にそびえ立つ、大きな噴水を眺めながら
あたしは一つ、ため息を落とした。
『俺はアメリカに帰るけど、落ち着いたらまた迎えに行くから。その時は向こうで一緒に暮らそう』
…本当に、いいの?
あたしの選択は、本当に正しかったの?
昨日、隼人の残した言葉にあたしは黙って頷いた。
その日のうちにニューヨークへ戻った彼と結んだ、約束。
…いいえ、これは契約。