【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


どこからか聞こえる、足音。


あたしの前でピタリと止まった。




「…真宝」


「ねぇ奈々、どういうことなの?」




その眼差しは

彼女の強さと儚さを携えて、悲しい色をあたしへと落とす。


逸らせない。

逸らしてはいけない。


瞳があたしに訴えている。




「真宮…じゃないんでしょう?彼。ねぇ奈々、嘘よね?宮澤財閥の御曹司と婚約だなんて…嘘よね!?だって奈々は………」




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