【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


「嘘なんかじゃないよ」


「…え…?」


大きい瞳が、大きく揺れた。




…嘘なんかじゃない。




たぶん真宝は聞いたんだ。


学園中に広まった、あの噂を。




「真宝…あたしね、思い出したんだ。小さい頃の記憶…思い出したの。隼人がニューヨークへ行くまでの記憶。

…でも…どうしても思い出せない。それから後のこと…何も、覚えてない」




それでも、いいの。




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