【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「あたし、結婚するんだ。…って言っても、正式には隼人が18になってからだけど」
「………」
「真宝もちゃんと式に呼ぶからね!」
「………」
いつもの彼女なら
“奈々ったら、気が早いわ”
なんて、すかさず言ってくるはずなのに。
大きな瞳が物語っている。
流れる空気は凍えるほど冷たくて、吐く息は真白に輝いた。
「じゃあ…奈々の…今までの南さんに対する“好き”っていう気持ちはどうなるの…?彼の気持ちは…どうするの…?」