【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「この中でどの色が一番私に合うと思う?」
そう言うと彼女は
開いた雑誌を、バッとあたしの前に差し出した。
「これ…ドレス?」
「そうよ。何色が良いと思う?」
二度も聞かれたら…答えないわけにはいかない。
“はやく、はやく!”と急かすような目であたしを見つめる彼女。
「えっ、えーと…真宝は黒が似合う…かなぁ…?」
「やっぱり!?私も黒が良いと思ってたの!早速手配してもらわないと…ありがとう、奈々。おかげで助かったわ。
早く寮へ戻って仕度しないと!」