【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
丹原さんには悪いけど、はっきり言って全然ありがたくない。
別に…見張られなくても、あたしは逃げたりしないのに。
───…
「到着致しました。こちらが会場でございます」
「こんな所でやるんだ…」
「ええ。では、私はこれで。後程お迎えに上がります」
たかが終業式くらいで、こんなに広い会場を貸し切るなんて…
さすが、千代さんの考えることはずば抜けている。
到着した会場は、学園から程近い豪華な建物。
ぞろぞろと人が流れる、フロア一体。
厳粛な式…というよりも、どちらかと言うと楽しいパーティーといった印象だ。