【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「さぁ、パーティーが始まるわ」
「…っ………」
声が、出ない。
足が、動かない。
…揺らいでしまう。
あんなに固く、誓ったはずなのに。
こんなにも簡単に、揺らいでしまう。
情けない、あたし。
彼の姿を見ただけで
彼の声を聞いただけで
願ってしまうの。
あなたがまた、あたしの側にいてくれて
あたしをまた、優しく抱きしめてくれないかと。
…もう、叶わない願いなのに。