【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
何だろう。
この、妙な感じは。
「今日はね、特別にお客様をご招待しているの。
奈々ちゃんの…よーく知っている人」
「え…?」
あたしの、よく知っている人?
「でも…その前に、一つ聞いてもいいかしら?」
会場の片隅で、あたしは黙って頷く。
それを確認した千代さんは、再び口を開いた。
「…本当はこんなこと、私が口にするなんて間違っていると思うけど…
奈々ちゃん…あなた本当にこのままでいいの?このままずっと、偽った心で生きていくつもり?」