【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「私はどうしてもその人のことを諦めきれなかった。だから家を出て、この学園を始めることにしたの。
代わりに…あなたのお母さんが、私の婚約者と結婚したわ」
「…じゃあ千代さんの婚約者だった人って…!」
目が合うと、彼女はにっこりと微笑んだ。
「とっても優しい人だったわ。私にはもったいないくらい。
千鶴が慎一さんを好きになるのも無理はなかった…それくらい、魅力的な人なのよ。あなたのお父さん」
…魅力的な、人。
確かに彼も…
優しいし、格好良いし、すごく魅力的な人だ。
…あたしには、もったいないくらいの婚約相手。
本当に、素敵な人。