【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


だけど、あたしは見てみたい。


涙の向こうにある、たった一握りの幸せを。




そう思わせてくれたのは

千代さんと飛田さんの、仲睦まじい姿を見たから。


二人の幸せそうな笑顔を、この目で見たから。


自分の本当の気持ちを、知ってしまったから…。




「…っ……あ、たし…!」




伝えたいのに…


声にならない。




行かなきゃ………


今すぐ、行かなきゃ…!




「忘れないで。私達はあなたの味方だから」


「南君なら、控え室で待機しているかと……

…奈々様、どうか…ご無事で」




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