【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
躊躇いながら、彼は言った。
『…俺達二人を引き裂いたのは、運命の仕業なんかじゃない。俺達の両親が、こうしたんだ』
『………っ!』
彼は…隼人は、一体何を言っているんだろう。
…嘘。
きっと、そんなはずない。
ううん。
絶対、そんなはずない。
『変なこと言わないで!そんなこと…あるわけないじゃない!
だって…だって…あんなに優しいお父さんとお母さんが、そんな酷いこと…絶対するわけないっ!!』
体が勝手に動く。
気づいて、思わず彼に掴みかかろうとしていた自分の手を
ピタリと止めた。