【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
…空気が、重い。
重すぎて、息をする度この空気に押し潰されてしまいそうになる。
浅い呼吸からは、苦しさが滲み出てくるのがわかる。
不安と緊張感が入り雑じる中
乾いた笑みを浮かべ、彼はそっと口を開いた。
『…わかる?俺がニューヨークに行った、本当の理由』
『それは…経営の勉強をするためじゃ……?』
宮澤財閥に、相応しい人間になるため。
あたしが学園に通うのと、同じように。
確信したように、だけど言い聞かせるように、自分の考えを巡らせる。