【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「奈々様!このような所で、何をしておられるのです!?」
「た、丹原さんっ…!」
“執事控え室”
その表記を確認し、扉に手をかけた瞬間
かけられた声に、背中がゾクリとした。
見渡す限り、部屋の中に南の姿はない。
「さぁさ、会場へお戻り下さい。そろそろ隼人様がお見えになる頃かと」
「…隼人が?」
千代さんがさっき言っていた人って…隼人のことだったんだ…!
…どうしよう。
このままじゃ
このままじゃ…!
「どうなさいました?」
「……なさぃ…」
「奈々様…?」
「ごめんなさいっ…!」