【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「行かないでっ…!」
あたしの訴えに、南は黙って目を伏せる。
嫌だよ……
南と離れるなんて嫌だ……!
「行かないで南…!お願いだから、あたしと一緒にここから逃げよう…?」
例え禁忌を犯しても
多大な犠牲を払ってでも
…彼と、共に生きたい。
「…奈々様はその言葉の意味を解った上で、そうおっしゃるのですか?」
ゆっくりと、首を縦に振った。
…覚悟なら、もうできている。
「南の側にいたいの……あたしの側にいてほしいのっ…!」