【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「もし…あたしが南のことを覚えていたとしたら、未来は何か変わっていたのかな?
こうなる前に南のこと思い出していたら、結果は違っていたのかな…?」
振り返りはしない。
だけど
既に歩き出していた足の動きを止め、背を向けたままあなたは言った。
「……例え何が起ころうと、私達が結ばれることは決して許されません。
……私が、私である限り…」
再度、歩き始める。
あたしを置いて
前へ前へと、進んでいく。
あなたはもう…
立ち止まることはない。
あなたはもう…
振り返ることはない。
南が“南”である限り…。