【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
───…
ランチタイムの時間を告げるチャイムが鳴り響くと同時に、食堂に人が集まり始める。
教室にはちらほらと、未だ移動を始めない数名だけが取り残されていた。
「いい加減起きなさい!!結城家の名に傷をつけるつもり!?」
「そんな…大げさな…、」
顔を上げ、彼女と向き合うカタチになったあたし。
〝口答えなんてさせません〟
高圧的な瞳でそう訴える彼女を前に、あたしは押し黙るしかなかった。
「さっ、食堂へ行きましょうか」
「……はい」
ニッコリと満足げに微笑む彼女、笠崎 真宝(リュウザキ マホ)は
お祖父様が確か…日本有数の大企業、笠崎グループの会長サンなんだとか。