【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「そこ、全寮制なのよ…」
「…知ってる。有名な所だもん」
眉をハの字に垂らした、悲しそうなお母さんの顔。
「でもあたし、転校なんて嫌だよ…?
…まだ入学して半年しか経ってないのに…どうしてこんな急に!?」
「すまない。もう決まったことなんだ」
申し訳なさそうに目を細める、お父さんの瞳。
「そんなっ…!」
結局…あたしは二人の切ない視線にこれ以上反論することはできず、学園へ通うことを渋々承諾した。
「少しの間だけ」という、不確定で先の見えない言葉を信じて──…